【PRIDE】プライドの危機

いやいや。どう反応していいか、困る出来事ですねー
 
さすがに喜ぶのも気が引けるし、今さらプライドを惜しむ気には当然なれないし、
今後の格闘技界を憂えるって感じにも、ならないなぁ。
 
思うのは「リングスが潰れた以上のショックは、何があってもない」って事だなぁ。
「まぁ、そういう事もあるわなぁ」って感じだ。
そういう意味では4年前の2月からずっと、半分死人なのかもね、僕ら。(「ら」って何だ)
 
リングスの後にZSTがあり所英男があったように、
志があれば何かは残っていくだろうし、続いていくんだろう。
 
田村はどう動くだろうか?
佐伯さんは、高阪は、リングスロシアは、どう行動するだろうか?
そして「天下三分の計」という言葉と共にHERO'Sに加わった前田は、谷川は、どう反応するだろうか?

【過去】2002年2月 〜リングスが終わり、田村がシウバに負けた頃〜

U−443。それが僕のU−FILEの会員ナンバーだ。
1月12日。田村−シウバ戦が伝えられた週の土曜日に、
僕はU−FILEの会員になった。
 
「意味がわからない」
僕の入会の動機を聞いた友人はみなそう言った。
「田村が闘う事と、お前が格闘技習う事にどういう関係があるんだ」
もっともである。
「何かさー、じっとしていられないっていうか、自分も何かしなくちゃって思ってさぁ」
我ながら説得力に欠ける理由を言ってみたりもしたが、途中で話題を変えられてしまう事の方が多かった。
自分でも、よくわからなかった。
本当に気が付いたら、U−FILEの赤いマットの上で僕は佐々木恭介に両足タックルを習っていた。
 
田村本人と遭遇したのは、通い初めて3日目の立ち技クラスの時だった。
緊張して立つ僕の背を見て「でかいなー」と笑った。
僕は184のノッポである。大きく産んでくれた母親に初めて感謝した。
 
田村の指導は意外に飄々とした感じで、
「前蹴りをかわした後は、うーん、ミドルで返すのがいいかなぁ。じゃぁそれやってみよう!」
みたいな感じで、その場で考えながら教えていくのが面白かった。
 練習生のスパーでも技が転がっていくと「うまい、うまい」と嬉しそうな表情を見せる。
いつかのWOWOWの解説を思い出すような感じで、いい動きには素直に反応する田村。
関節のスパーの時には「取られてもいいんだから」と繰り返していた。
完全に極まった状態で、我慢しする人には必ず「入ったら無理しないでね」とたしなめる。
 
そして僕は、初めて食らう関節技に高田ばりの高速タップを繰り返した。
 
 
ボコボコにされながら、血まみれで笑った後楽園ホールのハスデルと、
最後まで強がりを貫いた前田日明の最後の挨拶と、
タオルをかぶったままコーナーで微動だにしない田村潔司
 
思えば2002年の2月は負けてばっかりの1ヶ月だった。
 
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
 
あの試合から、そろそろ1ヶ月が経つ。
録画しておいた試合のビデオを、最近ようやく見る事が出来た。
試合を報じた雑誌も一通り読んだ。
田村に対して酷な記事が意外に少ない事に、少し驚いた。
ある意味順当な結果だったと言うことか。
あるいは、例え負けたとしても田村は全てを失いはしなかったということか。
正直な所、僕にはわからない。
菊田なんかが田村を評価する発言を見ると、嬉しくもなったし、悔しくもなった。
 
そして田村にとってはどうか。
田村はあの試合で何を得て、何を失ったのか。
 
「そりゃぁ落ち込みますよ。ああいうみっともない試合をして
 お客さんに哀しい思いをさせてしまったことが一番辛くて。
 期待してくれる人をガッカリさせるというのが一番辛いですね。 犯罪を犯してしまった気分です」
 
「重いですね。僕が13年間やってきた事が、またイチからっていう気持ちになったんで」
 
「負けに対して、どう自分を生かすかかということだから。
 今回の負けで、自分の中で言いたいことを噛み殺して悔しい思いをすればいいんであって、
 そこからどう立ち直るかということだと思うんで。
 極端な話、シウバに負けて、自分の生き方がこけるようであれば、
 それはもう自分に対して負けているわけであって」

 
 
週刊プロレスの鈴木記者によるインタビューは、本当に素晴らしかった。
少なくとも田村は全てを奪われはしなかったし、心を折られてもいなかった。
敗北の重みを受け止めて、それでも前に進もうとしている、その姿が自然体で伝わってきた。
10日間の謹慎を自分に課したという田村。その間に色々な事を考えたんだろうなと思う。
 
本当の事を言えば、田村は負けたら引退するんじゃないかと思っていた。
勝ったら勝ち逃げ、負けたら引退。そういう種類のバクチを打つつもりではないのかと、
僕は思っていた。
同じように、2月にリングスが終わり、田村が負ける事によって、
自分の中の何かが消えるのではないかと僕は怖れていた。
両方とも違っていた。
 
田村は敗れた。だけど敗北は無ではない、かもしれない。
少なくとも、田村は敗北を無にしない為に動き出しているように僕には思えた。
 
いつかの糸井さんの言葉を思い出す。
 
 大阪の不良少年だったころから、
 いままで、前田日明は、何度の敗戦を経験してきたのだろうか。
 おそらく、街の喧嘩から、優勝のかかった国際試合まで、
 すべての闘いに、彼は勝つつもりだったに違いない。
 しかし、負けは、確実にあった。
 その、多いとはいえない敗戦のいくつかを、私も目撃してはいる。
  (略)
 よく負けた敗者の存在は、よく勝った勝者の助産婦である。
 勝ち星の輝きは、敗者の敢闘によってしか生まれない。
 リングスを見続けている私たちは、このことを知ってしまった。
 前田日明の引退がカウントダウンされはじめた今だから、気になるのかもしれない。
 あらためて、思うのだ。
 格闘家・前田日明の栄光は、彼の獲得した勝ち星と、
 彼の運命に手渡された負け星の和だったのではないか、と。
 
 不吉なことを言っているのではない。
 引退のその日まで、前田日明は、どんなに重い敗戦を経験することができるだろうか。
 相手の格闘家に、どれほど偉大な負け星を送ることができるだろうか。
 今の私の興味はそこにある。
 勝つことに等しいほどの価値を持つ負けを獲得できているのなら、
 前田日明の格闘家としての生命は終わっていない。
 
そしてリングスである。
2月15日のリングス最終興行。
正直に言うと、なんだか僕は素直に楽しんだり、感動したりする事ができなかった。
その理由が田村の敗北から逆にクリアになってきた。
大会直前になって聞かれ始めた「リングスは終わらない」「第一次リングスが終了するだけだ」
という言葉。その言葉は僕をほっとさせると同時に、複雑な気分にさせた。
敗北を誤魔化しているような、そんな匂いが感じられたのだ。
 
選手でなくなった時、道場から前田の足が遠のき始めた時に、
前田日明の中に明確な敗北が無くなったのではないか。
そこから前田日明の迷走が始まったように僕には思える。
リングスは敗れた。
田村は敗れた。
敗北、そこから出発する事でしか何も産まれないのではないか。
 
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
 
あの試合から3週間後の3月17日、U−FILE自主興行の翌日。
田村は普段通りに、立ち技初級クラスに顔を出した。
TKの初犯Tシャツを着た僕に
「なんでTKやねん」と軽い突っ込みを入れてきた。
突然の言葉に僕は「いえいえ、いやいや」と言葉にならない返事を返した。
天にも昇る気持ちのストーカーが一人。
そして、練習が始まった。

【ZST】KEEP ON 〜2006.5.28 ZST GT-F2 後編〜

休憩明けはヒョードロフさんの追悼10カウント。それも結構唐突に始まった。
ZSTのバックグラウンドであるリングスで活躍された」とか、
そんな感じで紹介されて、起立を求めて10カウント。
これも「あえて」の、ぶっきらぼうさに感じる。白黒の写真の後ろにはミーシャも写っていたな。


で、準決勝 まずは所vs勝村。


忍者のコスチュームで元気よく入場の勝村に対して、
所は試合前のコーナーで頭を氷で冷やされていてびっくり。まだ始まってないっすよ。
確かに1回戦のダメージは段違いだけど、
そんなものは簡単に拭いさったり、そうでなくても空元気!っていう所のイメージが裏切られる。

思えば、所を取り巻く空気は1回戦から、なにか沈滞していた。
生き生きしていない。簡単に言えば「疲れてる」って事なんだろうけど、
それは試合間隔というもの以上の「蓄積された」感じがあった。
当然、前田との練習の悪影響であったりとか、
田村が対談で心配していた「30でそれをやる事の無茶」が想起される。

紙プロを読んだ時は、田村の嫉妬みたいなものかと思っていたけれど、
よく考えれば田村はそういうマイナス感情を織り交ぜながらも、
自分が本当に考えている事しか言わない人間だ。

 
そして試合は1R終了寸前に勝村が三角締めが決まり、所が逃げ切るかと思われた時、落ちた。
落ちるのにレベルがあるのかは知らないけれど、結構深刻に落ちていた感じ。
意識を回復してからは、勝村と笑いながら話したりして、そこは少しほっとした気持ちになったけど、
でも重い気持ちは残る。

 
所は今回の事をどう受け止めて、どういう行動を取るだろうか。
そして、前田はどう考えるだろうか。ここまでの関係だったら、前田のこれまでと同じだ。
自分を丹下段平に例えた前田は、この先に行けるだろうか。絆は続くだろうか。
ひとえにZSTの上原さんに懸かっていると思う。
よろしくお願いします。どうか、なにとぞ、という心持ちだ。

 
続いて準決勝2試合目。バレットvsカポエラの人。

 
うむ。前の試合と同じ準決勝とは思えないな。国内予選とW杯が並行して行われている感じは否めん。
バレットは今日2度目のレッチリ「under the bridge」で入場。美しくも内省的な曲調が意外にはまっている。

 
で、試合はカポエラの人が、バレットでさえも簡単にパスしまくる。
でもさすがというか、バレットはその先の極めには至らせない。たまに足関で逆襲をかける。
息の詰まった名勝負。レフリーの平さんも止めようがない、って感じ。
あるいは寝技の勉強を始めてしまったか。
ストップドントムーブでも「少しでも解いてしまったら、私達にはちょっと復旧できません」みたいな感じで、
「そのまま引きずって、ちょっと移動」しかできない。遺跡みたいだね。

 
2R。おもむろに、カポエラの人が足関を狙いにいく。
しかも先ほどまでの軽やかな感じから一転、藤田のアームロックなみの力技。なんだろなーと思う。

 
展開は変わらないまま判定へ。カポエラの人と勝村の決勝かぁ、
こういうタイプだったら所が凌ぎまくる方が盛り上がるよな、とか思ってると
「勝者、バレットヨシダ!!」

 
ええええーと場内ブーイング。僕らも同調。そりゃないっすよー。
すると審判団、といっても平と和田さんの二人だが、協議して和田さんがマイクを持つ。
その素早さといったら、K-1の時の石井館長みたいな対応の良さ。
そして「ZSTではポジショニングは評価しません。極めにいった姿勢が大事で、それは選手も了承してる」的な説明。
たぶんカポエラの人の唐突な足関は、急にこのルールを思い出したんだな。
判定に関しては、まぁそうかなぁと思い直す。説得されやすいもんで。
でも、カポエラの人は極めにいく順番としてパスしてたんだけどなぁ。
手順を飛ばして「1→3」みたいな感じでやるのも難しいしなぁ。
そもそも、それならもっとブレイクした方が良かったんじゃないの?

 
でも、その事より重要に思えてきたのは、レフリーの素早い対応だ。
リングス系にはありえなかった対応は、
つまりこの対戦で、この事態になる事を事前から想定してきたという事だろうなと。
そして、この事はZSTとしての譲れない一線だったんじゃないか。
「クロスガード禁止」と同じように、ZSTの存在証明、でもないな、
決意の象徴みたいなものなんだろうなと。僕たちは「違う」んだ、と。

 
クロスガードを許したって、今回のメンバーなら面白い試合になるという意見もあった。
それは「面白い試合の為のルール作り」であれば正解だ。
同じように「極めにいってなくても攻撃的だった」今回の試合をカポエラ勝ちにしても良かったのだ。
でも違った。たぶん大事なのは「一線を画す」という事だったんじゃないのか。

 
色々な事がつながってくる。 所バブル以降という状況。客をおいていく煽りビデオ。
内輪の卒業式。ヒョードロフの追悼。そしてこの判定。
全ては「求心力」という言葉に収斂されていく。
あるいは中途半端な客を吹き飛ばす遠心力、でもいい。
核を明確にする為に、過剰に削ぎ落としていく。
そしてその行為そのものを、一つの特性として吸引していこうとする。
リトマス試験紙、あるいは踏み絵。
それを、あくまでフニャフニャしたフォーマットで行ってきたZSTが、一瞬素を見せた。
あの判定はそんな瞬間だったんじゃないか。

 
以上の事を2秒のうちに考えた私。それは嘘。
実際していた事は、汗だらけのカポエラの人と握手しながら(2列目だからね!)
「これに懲りずにまた来てね」と心の中で思っていた。
カポエラの人の手はそんなに大きくなかった。
格闘家との握手は、いつかのタリエル以来。あいつの手は熊の手だった。肉球があったもん。

 
んで、決勝前に、小谷vs佐東の試合。通常ZSTルール。

 
小谷は髪を切ってから負のオーラが増してたように感じてたんだけど、今日は少し伸ばしていたな。
試合は小谷が何かオーソドックスな関節技であっさり勝利。
印象が薄くて思い出せませんし、決勝の選手も休めません。

 
で、決勝前に小野寺愛さんの卒業式。
みんなテープを投げるのが下手。あれはバラバラだと逆に物哀しくなってしまう事を発見。
関係ないけど、今回はZSTガールがリングイン/アウトするのがいつも僕らのいるコーナーなんで、
もの凄く得した気がした。ガンプク、ガンプク。

 
さぁ決勝戦。勝村vsバレットヨシダ。

 
序盤は勝村も攻めていた。相手の頭を押さえつけるような動作を繰り返したかと思うと、
スピニングチョークみたいな、横からのチョークをスタンドで極めかける。
「なるほどー」と柔術習得中の犬さんは感じ入っていた。何か理にかなった攻撃があったに違いない。
ちょっとゴロゴロ転がったり、手首固めみたいな攻防もあったような。
1R終盤(だと思う)、チョークを極めるバレット。
勝村も必死に外していくが、徐々に完璧な形に。んでタップ。うーむやっぱ強いなぁ。
試合後、正座した二人が笑いながら語り合う風景もあった。
犬の人が「勝村とバレットは一緒に練習した事があって、
その時バレットに習った技を勝村がやり返したからだ」と解説してくれる。
なるほど。あたかも見てきたように解説してもらうと、それはそれでまたあれだ。

 
優勝セレモニー。マイクを渡されるバレット。
観客のほぼ全員が「ミナサン、コニチワ」的な片言挨拶を想像していたのに、
いきなり「I'm glad to be なんちゃらかんちゃら」みたいな早口英語で話しだすので、
みな軽くカックンとする。しかも内容もかなり単純な事。
別に悪くはないけど、ただただカックン。

 
副賞を渡す為に、マスコミの方々がリングインするが、
これが揃いも揃って「君たち、確実に式の格を落としてるよ」って感じの格好。
どこかの社はGパンのバイト君みたいな風情だった。僕がバレットだったら怒る。
徹夜明けみたいなヨレヨレスーツの紙プロガンツが一番まともに見えたのはいかがなものか。
しかしバランスが狂ったデッサンみたいな感じの体型だなぁ。ガンツ

 
んで終了。小野寺愛さんの握手会の仕切りが、今イチはっきりしないので、
お客さんは「どうしよっかなー」みたいな緩慢な動き。
決して感動で会場から動けないわけではなく。僕も意味も無くトイレに行ってみたりして。

 
で、出口近くに行ってみると写真撮影が行われていて、
遠巻きに見ていると「握手したい方はどーぞー」みたいな曖昧な表現で握手会スタート。
迷わず近づき2、3番目の順番をゲット。
握手会なんて元東京少年笹野みちる以来だなぁ。
あの時はレズビアンカミングアウト直後で、男はいたたまれなかったなぁ。
でもファンだったんだもん仕方ないよなぁ。
 

で握手。柔らかかったす。こっちは思いっきりシェイクハンドする気満々なんだけど、
相手は、そっと手を添える感じ。こうされると、こっちも強く握りにいけない事を知る。
さすが数をこなしてるだけあるなぁ。プロの握手だ。負けた。
「お疲れさまでした」とオヤジ全開な言葉をかける。かわいかったなー。

 
 
んで犬の人2名と門前仲町に移動して感想戦
九州料理の店で、鶏の刺身を初め、料理はみんな美味しかった。
でも店員の女性が妙につっけんどんで怖い。何か悪い事をしたんだろーか。

 
次第にグダグダとしながら、話したのは高阪の事とか色々。
以下脳内再現。
高阪は何かを成し遂げたんだろうか。
僕はバス・ルッテン戦くらいで選手としての輝きは終わっていたんじゃないかと思う。
長南がアメリカに行ったのは、U-FILEがぬるま湯に見えたように、
高阪の周りも停滞して見えたんじゃないか。
吉田が来て、高阪に柔道色が強まった時から、やな感じは始まっていたんだよ。
結局は柔道の奴らは、すぐに「社会」を作っちゃうから駄目なんだ。そんなの見たくないよ。
それにつけても、大久保ちゃんが吉田道場の奴に勝った時は痛快だったな。

ZSTはたぶん「明確な価値観を保持したまま、興行を維持していく」事を大切に考えているんだろうな。
だからこその大会中の色々であり、そしてディファ有明という会場なんだろう。
それは採算でもあるだろうし、上原さんという人の目が行き届くキャパシティでもあるんだろうなと思う。

 
全然知らないんだけど、たぶん上原さんはワンマンなんだと思う。
理性と感性と洒落心を持ったワンマン。
そして自分のワンマンで物事を成立させられる範囲をよく理解している。
WOWOWが離れた直後、前田が赤字になる前にリングスを畳んだ行動と、
上原さんが今している事がどこかで重なる。ある種の潔癖さというか、
ビジネスをする人として考えると慎重すぎる感じ。
物事を拡大していく時の危険や、時流に乗ってしまった、その後の危険性。
何によって信念が失われていくのか、その力学と罠を熟知しているというか。

 
で僕はそんな感じが嫌いではない。信頼できる感性を持ったものが、何かを続けていく事。
そして「続ける」という事の難しさを知った上での行動。
それ自体が現在において、一つのメッセージになり得ると僕は思う。

 
少なくとも僕は勇気づけられる。

【ZST】KEEP ON 〜2006.5.28 ZST GT-F2〜

ZSTは久しぶり、なのかな?最初の頃はよく行っていたけど、
この前いつだったかは思い出せない。
今日はフェザー級グラップリングトーナメントGT-F。
所英男や勝村、バレット・ヨシダなんかが一日で8人トーナメントをやるんだから、面白そうだなぁ。

 
雨が降るなか、ディファ有明へ。なんとか犬さん(名前ね)と犬なんとかさん(名前です)に会う。
入ってみて意外だったのは、客の入り。
何回か前の大会では、前売りがソールドアウトになったと聞いていたから、
今回もディファだったらかなりの入りかなぁと思っていたが、そうでもなかった。


最終的には満席になったけど、席の並び方には余裕があるんじゃないの、とはなんとか犬さんの弁。
僕もそう思った。所バブルが終わったんじゃないのとか、そんな事も言ってたな。
そうかもね、でもそれはそんなに悪い事でもないかもな、と。


席は前から2列目。
常に前にGAORAの巨大カメラマンがいるので、真ん中の攻防になると、破壊的に見にくい。
いや、カメラが巨大なんじゃなくて、カメラマンが巨大。
動き回る仕事で、よくそこまで太れるなと、ちょっと感心してる場合じゃない。しかも足場に乗ってる。
休憩中に撤去しようかと真剣に考えた。


まずは開会式。音楽はいつものように、ツボを押さえた感じ。
順番は忘れたけど、アイドルコンサートのような演出でZSTガール登場。
小野寺愛さんが「二度目の卒業」という事で挨拶。
後ろに座ってた所が目当ての女の子は、明らかに「何じゃそりゃ」って感じだった。
まぁそうだよな。


続いて全選手入場。正面に向かって斜めに並ばせたいらしく、
ZSTガールの人たちが、後ろから選手の立ち位置を微妙に直していたのが、
お母さんか先生みたいでおかしかった。
古田さんのアナウンスはやっぱいいなぁ、とも。


えーと第1試合。勝村周一郎vsなんとかラインハート。


小さいフィル・バローニといった風情のラインハート。
青く染めた髪。入場すると、もの凄いスピードでタックルの足運びを練習する。
どうしてもバローニの印象が取れないから、違和感が拭えない。
黒人が裁縫してる、みたいな。


試合展開は・・GAORAが邪魔で見えねーよ、のうちに勝村の三角締めが決まる。ふむ。


第2試合。所英男vs今泉堅太郎(何も見ずに思い出せるのは珍しいな)


ZSTの煽りビデオはいつもの事ながら面白い。
「いわゆる<負けられない理由>があるのだ」とか、
みのもんたさんに、凄い表情をさせてしまった所英男」とか(あやふや記憶だが)
ツボの付き方と、押す力が絶妙。言葉は多くても説明は丁寧じゃない。
常にZSTを気にしている人以外を軽く「おいていく感じ」が快い。
後ろのTBS経由の女の子は受け入れられたかな。


サンボの今泉は「天心の刺客」というキャッチフレーズ。
「前回の<色々な意味でのリベンジ>を狙う」と紹介される。
前回を見ていない自分にはよくわからなかったので、
犬なんとかさんに「なんか前にあったんすか?」と聞くと、
とても嬉しそうに「色々あったんですよー」と言われる。いや、教えてよ。


試合はスタンドでは今泉。極めにいく姿勢で所という感じか。
所が下になった時に、今泉がバク宙でパスガードを狙い、
うまくいかず、相手の足のなかにそのまま着地したのにはびっくり。
あんな事が出来たら、毎日楽しいだろうなぁ。
2Rには所もマネしていたが、これは疲れただけのようにも見えた。


1R最後にはバックをしっかり取ったりした所が判定勝ち。
2R終わって判定に入った時には「やだぁーもぉー」と心配していた後ろの女の子たちも一安心。
顔を全く見なかったんだけど、どんな人たちだったのかなぁと、書きながら興味がわいてきた。


第3試合はバレットヨシダと奥出雅之かな?下の名前は自信なし。
でも今回はネットで調べずに書ききるぞ。


バレットは雑誌で名前はよく見るけど、試合見るのは初めて。
なんか高阪を四方八方から押しつぶしたような、密度の濃い体と顔。
これはオーラというんでしょうか。
奥出さんは、勝村のブログとかで変な人というイメージがあったんだけど、
意外と顔はまともな長南って感じ。侍風のコスチュームはリトアニアで使ったんですかね。


試合展開はこれも「GARAで見えねーぞ」→「あ、チョーク決まってた」みたいな感じ。


必死に粘る奥出。セコンドが「もう大丈夫だ!」とか
「相手、今ので力使い切ったぞ」など、もの凄い気休めを言い続けるのが笑う。
昔ボクシングやってる時、試合でパンチ食らってフラフラなのに
「前田ー効いてないぞー」と先輩に応援された事を思い出した。
それは僕しかわからないっす。

 
んで気休めも打ち止めになった所で一本。強いですねバレット。


第4試合は大石vsカポエラ柔術世界王者のブラジル人。
名前は・・・シャーレスとか言ったけど、さすがに思い出せない。あとで答え合わせします。


んで、このカポエラの人が強い強い。大石って人も強いんですよね?と確認したほど、子供扱い。
暖簾をくぐって馴染みの店にはいる、くらいの気安さでひょいっとパスガード、
カウンターに置いてある灰皿を取るように腕十字。


ZST藤原喜明」と紹介されていた大石さん(風貌はヴォルクハンorKIDの親父)は、
自分の膝を持ってクラッチを切られないようにして、必死に耐える。
ああ、このやり方俺知ってるよ
、田村さんがKOKでノゲイラとやった時にやった耐え方だよね。
知識が少ないから、知ってる事があると、すぐに隣の人に言いたくなる。


最後は腕がらみをじっくり行くと見せかけて、何かを狙ってる様子。
それも、なんかハンとか田村が旧リングスルールの時によくやったフェイントのかけ方だなぁと思ったけど、
あんまリングスリングスって言うのもなんだよなぁと思いながら、
でもやっぱ言おう!と思って横向いた瞬間に、腕十字にスイッチしたらしい(笑)。
やっぱり!ていうか、わかってたなら目を離すな、俺。


でも凄いなカポエラの人。試合後には片手で体を支えるカポエラムーブもしてたし、
この時点で、誰かにもの凄く自慢したくなる。お前、この人知ってるかよって。


犬なんとかさんによれば、柔術系の試合には既に出ていたそうで、それ関係の人には有名らしい。
「まえださんも「プロ柔術X」に来れば見れますよ」なんだそのプロジェクトXみたいな大会は。
でもこの人がいるんなら、行ってもいいかなぁ。でも、そういう事でも無いような気がするな。
たぶん「ZSTに出てきた」彼が大事なんすよね。
技術はプロジェクトXと変わらなかったり、その頃の方がしっかりと見れるのかもしれないけど。
それは同じ人のようで、同じ人じゃない気がする。


んで休憩。ロビーでハイネケンを1杯。なんかいつもほど美味しくない。
直前にカルビラーメンを食べてきたせいか。ビールが不味いと、何かとても心配になる。
僕の体調か?ビールへの愛が消えたのか?
犬の人も、不味いというからちょっと安心する。
グレープフルーツサワーに切り替えたけど、やっぱこれがお酒とは思えない。


・・・・・・


ここまで40分くらいで、だーと書いたのですが、朝風呂がわいたので、入ってきます。
昨日、飲み過ぎたんで入ってなかったんす。頭かゆいんです。


・・・・・


ああ、さっぱり!
と思ったら会社にいく時間だー

 
(続く)